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2014.07.02

【活動報告】農業を通じた復興を応援しようプロジェクト#5

こんにちは!今回のブログを担当するのはゆうしです。よろしくお願いします。

6月7,8日、私たち復興応援団は南三陸の小野花匠園へ農業ツアーへいってきました。今回のお客さんは会社員の方一人と学生の方の二人で、スタッフの学生メンバーが四人でした。学生メンバーのうち私を含めた二人は初めての参加でした。
霧雨の中、仙台駅に集合、簡単に自己紹介をすませたら車に乗り込んで南三陸に向けて出発です。最初に訪れたのは戸倉中学校でした。すでに廃校がきまっていて、ガラス窓にはベニヤ板があてがわれ、割れていないところからは被災当時のまま散らかった中の様子を覗くことができました。時計の針は文字通り止まったままでした。

stopped clock

体育館へ通じる渡り廊下に出るとそこには金属の柱や屋根が、ぐにゃりと曲げられた様が生々しく残っていました。アスファルトの地面はえぐられ、地面下の配線が崖の下へぶら下がっていました。学校は丘の上にありましたが、津波はそこまでのぼってきていたのです。幸い生徒はさらに上へ避難していたので助かったようです。想像を絶するような自然の力を目の当たりにして私はただ絶句するしかありませんでした。

次に訪れたのは旧市街地の防災庁舎です。テレビや写真で何度となく目にしたことはありましたが、やはりそれはむき出しの赤い鉄筋骨でした。亡くなった方を慰霊するための祭壇が据えられ、私たちはそこで黙とうを捧げました。周りはそこがかつて街の中心地だったとはとても思えないような荒れ野でした。

震災以来使われていない志津川駅も見学しました。(現在は代わりにバスが走っています)線路は無く、人のいないプラットフォームが残されていました。トンネルは入り口が柵で塞がれていました。

昼食は入谷にあるお店「山の食堂 ポルセリーノ」に行きました。なんでもそこで育てた豚や鳥を使った料理を出すということで、なるほど行ってみると自由に走り回るヤギやニワトリが元気に出迎えてくれました。

お店はその立地にもふさわしくコテージ風の感じで、周りには豚小屋やニワトリ小屋のようなものがあり、畜産業とレストラン業とを兼業している様子がうかがえました。中はこれまた暖かい木のぬくもりに包まれ、おしゃれなテーブルクロスを囲んで私たちは座りました。

料理は美味でした。柔らかくなるまで煮込んだ豚の軟骨、さすがおいしいところを知っています。鶏がらのだしはもちろん本物から、時間をかけて取り出したもので、優しい味がしました。ご主人のお話もまた印象に残るものでした。未熟な私にはわからない部分も多かったですが、ご主人が自分で感じ、自分で考えようとして来られた様子をすこし想像することができました。最後までおいしい料理(復興応援団代表の佐野さんもつい速攻で完食!)と素敵なお店の方々でした。

午後は本丸の小野花匠園での作業です。今回は初日まず菊のお世話をするということで、温室の雑草抜きをしました。雑草抜きといってもそれがなければ耕耘はできませんし大切な作業です。特に温室の壁周辺に生えた雑草はしっかりと人の手で取らなければいけません。温室のビニール壁を破らぬよう注意しながら鎌を扱います。農薬を使っていないからなのか虫は多かったですが、心なしか雑草は柔らかいものが多く、土は優しい感じがしました。みなさん黙々と作業に励んだおかげで小野さんも驚くほどはかどりました。

その晩お客さんは下道荘で食事、宿泊でしたので私たち学生スタッフも別に食事を済ませた後、懇親会に参加しました。小野さんも下道荘に来てくださり、人数はそれほど多くありませんでしたが、打ち解けて話せたと思います。

翌朝、下道荘を出発し小野花匠園での二日目の作業に入りました。トマトの余分な葉を落とし、風通しをよくする作業です。こんなにも広いのかというほど大きなトマトのハウスで、気持ちのいいトマトの香りを感じながらの作業でした。収穫できるようなトマトはすでに摘み取られていたので青いトマトしか残ってはいませんでいたが、苗の上から下へ徐々に花そして実が成長していく様子になっていて面白かったです。外はあいにくの雨でしたが、小野さんの息子さんの元気にも励まされてみながんばりました。

ono kid
作業の後にはとっておきが待っていました、商品開発中のトマトジャムの試食です。五種類の試食品を頂いて、コメントを述べあいました。なるほど食べてみるといろいろ違いはあるものの、複数試してみるとその違いを判別するのはなかなか難しいものでした。五種類のうち市販のものが二つ含まれていましたが、さすが、高いものは食べやすくできていて驚きました。既存のものと差別化をはかるため、ジャムという枠組みにこだわらないものを探していくのはどうかという提案がされました。

tomato jam sample

その後の小野さん農家の方と私たちでの反省会では南三陸のあり方にも話が及びましたが、私はただ知らない事ばかりだなと思わされるばかりでした。

帰りの車中で参加者の一人が、今回のツアーにとても満足されたとおっしゃったのはとても印象的でした。私自身半分以上ツアーの参加者のようなものでしたがいろいろなものを生で感じることができたのかなと思います。参加してくださったお客さん、小野花匠園さん、ありがとうございました。

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