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2011.10.26

大島の魅力・前半

こんにちは、インターン生の龍田です。

今回、お伝えするのは、10月22日~23日に行われた大島プロジェクトです。

大島とは、岩手県と接する宮城最北の地・気仙沼市に属する人口3000人ほどの離島です。

規模は決して大きくないですが、それ故の人の優しさと温かさがあり、とても美しい海が自慢の島です。

しかし、この島にも例外なく、大震災による悲劇が降り注ぎました。平時は大島のかけがえのない財産だったはずの海は姿を変え、牙をむき、結果として大島は傷ついてしまいました。

ですが、大島の魅力の柱である「人」は輝きを失いませんでした。その最たる例が「おばか隊」という組織です。(この名前の由来は、「お金も出ない無償のボランティアにもかかわらず、よくやるわ」「バカでもなければやってられない」という周囲の声が由来だそうです。)この組織は、大島の人々から成り立ち、被災した直後からずっと大島を支える中心を担ってきました。本当に強い人たちです。そして、この方たちの精力的な活動に惹かれて、たくさんのボランティアたちが集まり、大きなうねりを作り出しています。

今回のブログで、この小さな島にある、大きな魅力の一端でも受け取って頂ければ、幸いです。

10月22日(土)

仙台駅にて栗井さん、長岡さん、吉田さん、木村さん、安田さんと合流しました。ボランティアツアーは、その内容の性質上、集合時間がとても早くなってしまいます。みなさん社会人なので、お仕事が終わってすぐこちらに向かわないと、早朝に仙台にはつけません。これだけのハードルがあるにもかかわらず、ご参加して下さる皆さんには、感謝しかありません。栗井さんはスーツ姿で駆けつけてくれましたし、長岡さんは長野からご参加いただきました。吉田さんは、史上最多の4回目、木村さんは2回目、とリピーターの方がいらっしゃるのは、とても嬉しいことです。

その日は、あいにく朝から雨が降り続けていました。全く弱まることのない雨脚に不安を覚えつつ、車で気仙沼に向かいます。大島への唯一の交通手段はフェリーなので、気仙沼港から大島へと出航しました。

 

大島へと到着し、まずはお昼休憩を取るために「気仙沼休暇村」へと向かいました。ここで、雨天のため、午後からの作業の中止という報告が入ってきました。ですが代わりに、おばか隊のみなさんが報告会を開催してくださることになったので、公民館へと向かいました。

 (休暇村にての集合写真)

収容人数いっぱいの部屋で、おばか隊の方々が話す内容を、皆さん真剣に聞き入っていました。報告会の内容は、震災発生から現在までの大島の経緯でした。常に最前線で活動してきた方からだからこそ生まれる想いがひしひしと伝わり、聞いている側に強烈なリアリティーを与えてくれました。

お話の途中で話題に上がったのですが、今まで大島にきたボランティアの数は1万人を超えるそうです。驚くべき数字ですが、大島復興の中心に、常に大島のことを思って一生懸命なこの方々がいるならば、それほどたくさんの人が各地から集まってくるということも容易に理解できます。

報告会が終わると、大島にある民宿「海鳳」へと向かいました。この民宿は、女将さんがとても明るく陽気な方で、アッという間にお客の心を掴んでしまいました。とても印象に残っているのが、女将さんの言った「毎日、震災が昨日のように思える。」・「次来るときは、復興ではなく観光で来てください。」という言葉です。この二つの言葉が、震災の恐ろしさを誰よりも理解したうえで、復興に向かっていこうという大島の人達の芯の強さを物語っているように思えました。

さらに、ただでさえ、美味しくて豪華な夕食に、「ボランティアに来てくださった皆様だから」と言って、アイナメのお造りをサービスしていただいたり、島内を移動する際にバスで送っていただいたり、と至れり尽くせりでした。これらのご厚意は、ボランティアに対する期待から来るものだと感じ、大島の皆さんのご期待に沿えるよう、気を引き締めて頑張ろうと思いました。

つづく

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