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2012.02.29

【活動報告】2月24,25,26日 –リクルート復興支援ツアー-

 こんにちは、短期インターン生の森です。仙台に来てまもなく1カ月。
毎週末南三陸プロジェクトツアープランニングに携わってきましたが、
早いもので今回が私にとってスタッフとして最後のツアーとなりました。

今回のツアーのコンセプトは「養殖業で民宿街再生応援」

南三陸町袖浜地区の民宿は10軒中8軒が津波被害に遭い、
営業再開が困難な状況にあります。

その中で
「自分達が民宿の再建に向かう姿を見たら、地域の皆も頑張ってくれるのではないか」
「南三陸町再建のためには、人を呼び込まなければ」
という思いから、いち早く再開を決断したのは民宿『下道荘』の代表、菅原長弥さん。
(袖浜周辺で再開した民宿は現在下道荘のみ)

南三陸プログラムマネージャーの根本は、
去年8月から下道荘さんでの養殖業ツアー実現の為に何度も現地を訪れ、
菅原さんと継続的に交流を続けて来ました。


-1日目-

今回参加して下さったリクルートの皆さんは28名。
午前中は、南三陸の被災地エリア視察
つなプロ南三陸担当の内野さんが、震災当日の様子や復旧の現状などを詳しく解説して下さいました。

午後から夕方にかけては、ラーニングタイム
菅原さんと、農業から被災者雇用拡大を行っている小野花匠園の小野政道さんという、
南三陸町の復興をけん引する2人の地元復興リーダー(復興のキーパーソン)をお呼びし、
復興応援団代表である佐野との対話の中で、

被害状況や復旧の過程、復興への思いや構想、
農業・漁業への支援がどのように震災復興につながるか、
震災前の事業経営の仕方や考え方をどう進化させたかなどを
リクルートさん向けに話してもらいました。

「営業再開に当たって600万円分は再利用で補った。」と菅原さん。

津波被害に遭った畳は業者に頼んでござだけを変えてもらい、
客室の蛍光灯、瓦、食器棚から落ちても無傷であった有田焼など、使えるものは全て再利用。
また、総工費の約7000万円は大半を地元に発注し、
その資金補てんの為に、前払い制の宿泊券をネット販売する等の工夫を行ったそうです。

 

-2日目-
作業開始と福興市見学
元々、牡蠣の養殖に使用する土嚢(どのう)作りを行う予定でしたが、
近年稀に見る大雪の為に土嚢に詰める砂利が凍結。

急遽、袖浜地区の漁師の方々が日頃お世話になっている
みやぎコープ、YMCAのボランティア団体の皆さんに振る舞う約100人分の牡蠣鍋を作ることになりました。

料理が完成した後は、コープ・YMCA・リクルートの皆さん全員での大集会が開かれました。
その後、下道荘に戻って周辺道路の雪かきを行いました。
凍てつく寒さの中での屋外作業でしたが、ご協力ありがとうございました。

午後は、志津川福興名店街オープン記念の福興市見学。

-「福興市」は単に一商店街だけの為のものではなく、
行政機関である町と地元企業の方々、地元小中学校の子供たち、
母親など家族の方々、町外から応援する市町村、NPO、
ボランティアの方々が一丸となって手をつなぎあい、創り上げているイベントです。-
(福興市公式サイトより引用)

 25日はオープン記念イベントのゲストとしてEXILEが、
南三陸名物の「キラキラ丼」を提供する飲食店が5店舗も出店するなど、大賑わいでした。
私は26日に訪れたのですが、偶然入った食堂にサンドイッチマンがいて取材されていました!

 
-3日目-
牡蠣養殖用の土嚢づくり
まず、菅原さんが土嚢づくりに使われる特殊な紐結びの方法をレクチャー。
そして、砂利の上に降り積もった雪をどかす所から作業スタート。
スコップで袋に砂利をつめる係、袋を持って紐を縛る係、砂利をつめた袋を一か所に移動する係に分かれて作業を行いました。
(砂利が入った袋は予想以上に重く、女性2人で運ぼうとしてもびくともしませんでした…。)
一か所に集めた土嚢は15個ずつ、菅原さんが運転するフォークリフトによって岸壁まで運ばれました。

かきの養殖台を1台作る為に、土嚢は約150袋必要とされています。
現在、袖浜の海には養殖台が93台入っていますが、目標の200台にはまだまだ足りていません。
今回は3時間半の間に400袋、360万円分の利益達成を目標に作業に挑みました。

時間内に目標達成すれば、漁船に乗せてもらえるというご褒美付きだったこともあり、
11時前には早くも目標が達成されました!
菅原さんが操縦する船に乗り、南三陸の海を周遊して養殖の様子などを見学しました。

2泊3日の間下道荘に宿泊し、作業を一緒に行うことで菅原さんとの交流が深まったことと思います。
南三陸町という地域にも親しみを覚えて頂けたのではないでしょうか。

私も南三陸町は団スタッフとして関わるまで一度も訪れたことがなく、
最初の頃は、全くイメージが付かないままでのプロジェクト参加でした。
しかし、小野さんと一緒に農作業をし、
菅原さんの運転する船の上で漁業のお話を聞いたりする内に、
本当に南三陸町のことが好きになっていました。

労働作業は3日目だけとはなってしまいましたが、
現地の人々と仲良くなり、地場物を食べたりといったことを通して、
私達がその地域のファンになることが中長期的な震災復興には必要不可欠です。

東京に戻った後は、今までのように何度も足を運ぶことは難しいとは思いますが、
この2月の南三陸町での出会いを大切にし、
近い内にまた南三陸に「戻って」きたいと考えています。

リクルートの皆さんも、
ぜひまた小野さんや菅原さんに会いに、
おいしい料理を食べに南三陸に戻ってきて下さい!
(森 夕海)

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