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2012.04.27

笑顔広がる表札づくり-多賀城市高橋公園仮設住宅

4月22日、多賀城市の高橋公園仮設住宅で、表札づくりのワークショップが開かれました。
住民の皆さんが集い、楽しい会話を交えながら、半日間の表札づくりです。

復興応援団が、自治会の皆さんから「自分たちの手でオリジナルの表札を作りたい」という声を受け、
塩釜市でワークショップ運営などの活動をするアーティスト集団『ビルドフル―ガス』の皆さんを講師にお招きして開催されました。

晴天の下、20人ほどの住民の皆さんが集会所に集まってくれました。
普段からお茶飲み会が開かれ、住民同士の交流が盛んな高橋公園仮設住宅ですが、これほどの多くの人が集まったイベントは初めてだそうです。

表札作りに使う木は、地元の八幡神社のありがたい御神木。皆を守ってくれるようにと願いをこめ、津波の被害を受けて倒れたものを利用しています。震災当時は、神社に逃げ込んで難を逃れた方もいたそうです。

先生のビルドフル―ガスの皆さんによって、オリジナル表札づくりがスタート!

土台となる木に、各々の名前がプリントされたシールを貼り、カッターで切れ込みを入れて名前をくり抜いていきます。
細かい作業に悪戦苦闘しながらも、集会所は和気あいあいとした楽しい雰囲気に包まれました。
「○○さん上手ね~」
「私の名前は簡単だからさ~」
「これは難しいな~」
「お兄ちゃん手伝って!」

ワークショップの進行を担当した、ビルドフル―ガスの篠塚さんも温かい雰囲気で会を盛り上げます。
「みなさん作るのお上手ですね。お好きなんじゃないですか~」
「シールは2人で貼ったほうが上手く貼れますよ。となりの人と一緒に作ってみましょうか」

最初は苦労していた作業にもだんだん熱が入り、
住民の皆さんは休憩中のお茶を飲むのも忘れて熱中していました。
「こうやって皆で集まって夢中になって何かをつくるのっていいわね~」お母さんがつぶやきます。

誰かが名前を彫り終わったら拍手喝采。笑顔がはじけます。
次々と会話が弾み、笑いが絶えません。

続いてはカラーリング。
名前の部分だけくり抜いたシールの上からインクを塗っていきます。
乾かしてシールをはがすと、名前の部分に色が残るという仕組みです。

用意されたインクを使って、皆さん思い思いに色を塗っていきます。
正統派の黒、パッと目に付く青、赤、オレンジ、中にはレインボーという強者も!
「私、これ以上目立ったらどうしようかしら。アッハッハ」
「その色きれいですね。いいな~」

インクが乾くのを待って、皆でドキドキしながらシールをはがします。
個性豊かな色とりどりの表札がたくさん生まれ、歓声が沸き起こりました。
自分の手で作ったものには愛着がわきます。皆さん嬉しそうに、大事そうに、表札を持って帰りました。

現在は、多くの家の軒先に表札が付けられています。
それぞれの個性が出たオリジナルの表札が並んでいると、なんだかワクワクしますよね。
団地内がグッと明るくなるのではないでしょうか。

今回のワークショップに参加して、住民の皆さんが今まで育んできた温かいつながりを感じました。
表札ができ、お互いのことをより身近に感じられることで、そのつながりはもっともっと素敵な笑顔の輪になっていくのではないでしょうか。

(下澤大祐)

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